横造計算規定
瓦屋根標準設計・施工ガイドラインより
1.概要
法令の構造計算規定によれば、屋根ふき材の構造安全性に係わる荷重・外力は、風圧カと地震荷重である。
 
2.風圧力
(1)風圧カの構造計算
 屋根ふき材の構造耐力上の安全性を確かめるための風圧カは、平12建告第1458号において次式にて算出することが示されている。

ここで、 風圧力(単位:N/u)
  平均速度圧(単位:N/u)
  ピーク風力係数
  平均速度の高さ方向の分布を表す係数
 

建築物と軒の高さの平均、 の時 (単位:m)
  地表面粗度区分に応じて表T-3-1に揚げる数値(ただし、地表面粗度区分がWの場合は、Vの数値を用いるものとする。)
  基準風速(単位:m/s)
表T-3-1 地表面粗度区分と の値
地表面粗度区分
T
U
V
W
5
5
5
10
250
350
450
550
0.10
0.15
0.20
0.27
 
 なお、局地的な地形や地物の影響により、平均風速が割り増しされているおそれがある場合にはその影響を適切に評価し、 を割り増す必要がある。
 地表面租度区分については平12建告第1454号に次のように規定されている。すなわち、Tは都市計画区域外にあって、極めて平坦で障害物がないものと して特定行政庁が規則で定める区域となっている。Uは都市計画区域外にあって地表面租度区分T以外の区域、又は都市計画区域内にあって地表面租度区分がW 以外の区域で、海岸線又は湖岸線から500m以内の区域、ただし建築物の高さが13m以下の場合又は海岸線若しくは湖岸線から200mを超え、かつ、建築 物の高さが31m以下の場合は除くとなっている。Wは都市計画区域内にあって、都市化が極めて著しいとして特定行政庁が規則で定める区域となっている。V は、T、U、又はW以外の区域である(図T-3−1参照)。以上の規定から、住宅等の低層建築物の屋根ふき材の場合はほとんど、地表面租度区分はVと想定 することになる。そこで、以下で示す
計算例では、地表面租度区分をVと仮定することにする。
 
※「海岸線又は湖岸線」は対岸までの距離が1500m以上のものとする
図T-3-1 地表面粗度区分U、Vの適用
 
 基準風速は30m/s〜46m/sの範囲で9区分され、それぞれの行政単位毎に平12建告第1454号第2に示された表に定められている。基準風速の分布を図T-3−8に示す。例えば東京23区は34m/s、鹿児島市は38m/sである。
 ピーク風力係数はピーク外圧係数とピーク内圧係数の差で規定される。瓦を吹き飛ばそうとする風力はピーク外圧係数が負のときに発生する。このときピーク 内圧係数は0となる関係から、ピーク風力係数はピーク外圧係数と同じ値となる。平12建告第1458号2の表に示された負のピーク外圧係数を表T-3− 2、表T-3−3に示す。
 
表T-3-2 切妻屋根、片流れ屋根面及びのこぎり屋根面における負のピーク外圧係数
θ(度)
部位
≦10
20
≧30
-2.5
-3.2
-4.3
-3.2
-3.2
-5.4
-3.2
<注> θ は屋根面が水平面となす角度で左記以外の場合は直線補間し、θ <10°の切妻屋根面は片流れ屋根面を採用し、各部位の位置は図T-3-2〜T-3-4を参照のこと。
図T-3-2 切妻屋根
図T-3-3 片流れ屋根
   
図T-3-4 のこぎり屋根
 
表T-3-3 円弧屋根面の負のピーク外圧係数
部  位
ピーク外圧係数
-2.5
-3.2
〈注〉各部の位置は図T-3-5参照のこと。
 
 図T-3-2〜T-3-5において、H θ は前述の通り、a'dは次の数値を表すものとする。
a' 平面の短辺長さとH の2倍の数値のうちいずれか小さい数値(30mを超えるときは30m)
円弧屋根面の張間方向の長さ(単位:m)
建築物の軒の高さ(単位:m)
建築物の高さと軒の高さとの差(単位:m)
 
(2)計算例
 1)屋根の風圧力
図1-3-6 A屋根面の風圧力(鹿児島市)
 
軒高さ6m、建築物の高さ8mより、

   H =(6+8)÷2=7(単位:m)

〈注〉軒高さとは小屋組み等を支持する壁、軒げた、又は柱等の上端の高さである。建築物の高さとは、建築物の頂部高さであるが、棟飾り等の屋上突起物は建築物の高さに参入しない。
表T-3-1より地表面粗度区分Vを採用し、
   =450(単位:m)
   =0.2
鹿児島市の は平12建告第1454号より、
   =38(単位:m/s)
    (単位:N/u)
屋根勾配5寸は26.6°である。表T-3-2に示されたピーク外圧係数よりピーク風圧係数は
平部( 部)
   =-2.5、
外周部及び隅角部( 及び 部)
   =-3.2、
棟端部( 部)は屋根勾配が26.6°であることから直線補間して

   

より、平部の風圧力は
   =473.6×(-2.5)=-1184.0(単位:N/u)
外周部及び隅角部の風圧力は
   =473.6×(-3.2)=-1515.5(単位:N/u)
棟端部の風圧力は
   =473.6×(-4)=-1894.4(単位:N/u)
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